【宜蘭:羅東】台湾を支えてきた製紙工場跡地がフォト&イベントスポットに開発中「中興文化創意園區」

台湾を知る

食べ物だけでなく建物の写真も撮るのが大好きなブロガー兼写真家のRie(@rieasianlife)です。

今回ご紹介するスポットは、夜市で有名な「羅東」にある、まだ今現在も開発中の先取りスポット「中興文化創意園區」。

台湾の生活を支えてきたそのスポットの歴史も合わせてご紹介いたします!

 

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目的の施設があるのは、宜蘭「羅東」

 

この「中興文化創意園區」がある場所は、台湾の北東の宜蘭(ギラン:イーラン)の「羅東(ロートン)」という場所。

羅東は「羅東夜市」という美味しい夜市があることで特に有名な街で、宜蘭名産の三星ネギを使った料理がとても有名です。

【宜蘭:羅東】三星蔥がたっぷり乗ったプリプリの蒸し鶏が食べたい!「雞肉亮黑白切」

台北から直行便のバスで1時間せずに行けるので、日帰りでも十分楽しめる場所ですよ^^

 

中興文化創意園區への行き方

 

台北から羅東へ行く場合は、バスか電車で。

その後、羅東駅から中興文化創意園區までは、少し距離があります。

歩けない距離ではない(徒歩20〜30分程度)ですが、車通りの多い大通りで、歩道もそんなにないので、少し危険。

オススメはバスで、土日であれば、羅東駅からR1(紅1)、羅東夜市あたりからなら1766のバスが出ていて、中興文化創意園區の目の前がバス停になっています。

または、羅東駅の一つ隣の列車の駅「中里」駅から徒歩10分ほどです。

(Googleマップと住所をページの一番下に入れてるので参考にどうぞ)

 

 

上記はバス停から施設をみた写真。

もしバイクや車に乗られる方は広めの駐車場があります。

 

 

着いた瞬間に感じると思うんですが、この施設かなあああああああああ〜〜〜〜〜〜り巨大です。

それも開発途中の場所が半分以上のスペースを占めているので、さらに拡大する予定。

 

 

なので、バスを降りた後から施設に入るまでが遠い(笑)

圧巻に立ち並ぶ倉庫や工場跡地を遠目に見ながら、ゆっくりとお散歩気分で中に入っていってください。

 

 

中興文化創意園區では、毎週のように何かしらイベントが開催されています。

特に土日に行くのがおすすめ。

台湾のイベントって人が多くてぎゅうぎゅうのイメージがあると思いますが、大丈夫!

土地がかなり広いので、結構ゆっくりとスペースを見ることができます(笑)

 

中興文化創意園區の歴史

 

エリアに入ったらまず最初に歴史のお勉強がオススメ!

一番手前の右側にある倉庫(元6号倉庫)が製紙工場の歴史を展示してあるスペース兼サービスセンターなので、中に入って当時の写真や展示物を見てみてください。(トイレもここにあります)

 

 

イベントスポットになる前は、台湾の製紙会社「中興」の製紙工場。

ここを一番初めに運用始めたのは、なんと鈴木梅四郎社長が起こしていた阿部製紙所から機会設備を買い上げ、二結製紙工場として大正7(1918)年に開始。

当時、台湾と日本で初めてサトウキビの搾かす(甘蔗廢渣)から製紙を行う技法を開始し、1日2万ポンド(9トン)の生産量を誇りました。

大正8(1919)年、包装紙などにも手を広げ「臺南製糖株式会社 二結製紙工場」として正式に開始。

その後、中興の前身である、「台湾興業株式会社」を昭和10(1935)年に開始。

日本人が撤退し、国民党政府に権利が渡ったのち、国営化され同様に製紙会社「臺灣中興紙業股份有限公司」となり、2001年まで創業していました。

日本時代に行われていたサトウキビの搾かす(甘蔗廢渣)などから製紙がはじまり、化学的に作った白紙に運用が移っていきます。

 

 

メインで作られていたのは新聞紙で、そのほか文化用紙や工業用紙、トイレットペーパー、無塗工紙など多岐にわたり、台湾最大規模の製紙工場で、東南アジア一の生産量を誇りました。

その後、海外の紙の値段変動が経済的打撃を生み、民国90年に「臺灣中興紙業股份有限公司」は廃業しこの施設は使われなくなりました。

その後、宜蘭政府へこの土地の活用が移り、工業遺産としての価値保存と文化的利用育成の観点から2014年に新しいイベントスペースとして復活を遂げました。

 

 

この施設は全てが1つの会社だったこともあり、生活環境も整えて提供されていたようで、様々な写真から当時の生活様式も見ることができます。

クリーニング屋、散髪屋、朝の運動風景や製紙の技術を学ぶための研修室の様子など、当時の写真が展示されています。

ここでたくさんの人が生活を共にしながら働いていたんですね。

 

 

こちらは当時紙の重さを測る機械。

紙は枚数単位ではなく重さで計量し、出荷していたようです。

 

 

実際に作られていたトイレットペーパー。

当時の紙の品質はあまりよくはなく、粗いガサついた紙がほとんど。

この中興のトイレットペーパーができたことでたくさんの人のお尻が救われたと書かれていました。

 

 

トイレ側にあるここには、実際に製紙を行う際に使われていた工場の刻印型番が展示されています。

英語の刻印もあるということは、海外輸出もしていたのでは!

紙の種類も様々作られていたので、わかるようにこうやってステンシルで炭をいれて複写していたんですね。

 

職人やものづくりエリア

 

資料館から奥に入った建物は、クリエイターたちが集まるアトリエやお土産ショップ。

どんどん増えているので、もしかしたら更新されていたりするかもですが、2021年1月(109-110年度)現在に入っていたのは以下のブランドや作家さんたち。

 

 

興工一場

 

 

興工二場

 

子供連れの方に特におすすめなものづくり体験を提供されていますよ^^

 

 

疲れたらこのフードコート&カフェエリアで軽食もできます。

 

私のオススメの写真スポット

この施設は何より好きなところは写真スポットがそこらじゅうにたくさんあること!

建物専門、自然専門、ポートレート、廃墟オタク・・・様々な方々のフォトスポットになること間違いなしです!

ここで私がオススメのフォトスポットエリアを勝手にご紹介します!

 

煙突+隣の建物

 

まず一番目立つのはこの大きなたかーーーい煙突が付いている場所ではないでしょうか!

「煙囪鍋爐室」という建物で、日本時代の昭和12年に「鍋炉室」で、その隣の建物の屋根の部分は「人」の字のような形になっており、煙を逃す煙窓として設計された建物だそうです。

中は危険なので入れませんが、柵の手前の芝生のエリアからレンズいっぱいに巨大な煙突の写真を撮ることができます。

 

煙突の横にある階段

 

この建物があるのは、白い煙突の方へ歩いて立入禁止の柵ギリギリから右側へレンズを向けたエリア。

柵以降は入ることができないので、柵の中ギリギリからシャッターを切ってください。

2階?3階?へ続く裏のない階段とその建物の苔が茂った様子が、なんだか天空の城ラピュタの世界を思わせるので、私はここを「ラピュタアングル」と勝手に呼んでいます笑

 

水鏡エリア

 

天気が良い日は綺麗に水鏡になる日本時代に作られた建物「興創館」の横のため池。

ポートレートを撮られる際は、写真の左の通路に立って水鏡に映るように、カメラマンは遠くから。

この建物はもともと亜硫酸を保存していた倉庫でのちに11号倉庫と呼ばれるようになりました。

 

まっすぐ目の前にある緑トタン壁の赤工事マーク

 

多分、このスポットは期間限定。

各倉庫の間の隙間からこんな風に開発中の壁にある四角くて赤い工事中マークが見えます。

めちゃめちゃ台湾っぽくないですか?あれ?でもこれここ以外であまり見たことないかも・・・?

開発工事が終わっても、是非このトタン壁残しておいてほしいなぁ!

 

コンクリートの窓(現在工事中で見れません)

 

ここは「削片機房」だった場所で、紙の原料となる木材を削り出した場所らしいです。

ここで削り出したのは木材だけでなくそのカスでヒノキ油なども蒸留し、亜硫酸法で化学紙生成にも役立てたとか。

ただ、先日再度訪れた際、修繕用のシートに囲まれて撮影することができなくなっていました。

このコンクリートの窓から見えた浸食した木がすごく素敵だったのだけどなぁ!復活してほしい!

 

アクセスと詳細

中興文化創意產業園區HPFacebookInstagramYouTube
日本語のサイト
解放時間 10:00-18:00(室内は水曜休み、室外は22:00まで)
一般電話 (03)9699440
利用相談 (03)9655440
住所 宜蘭縣五結鄉中正路二段6-8號

 

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