歴史大好きブロガーRie(@rieasianlife)です。
先日、日本人ガイド開始し、今から大注目の観光スポット桃園の「大溪老街」。
今はまだ交通など課題がありますが、これからどんどん便利になっていく予感。
そんな大溪老街、全然描き足りないのですが、書くとかなりの長さのページになってしまうので、見所をかいつまんでご紹介します!
大溪老街について
大溪老街は、日本時代初期から始まった場所で、淡水河の終着地点でもあり、当時、大溪ー龍潭ー大稻埕(迪化街)へと船を使い、樟脳や木材、台湾茶などを中心に様々なものが輸出されていました。
日本人が作った街ですが、建物の装飾は、明治維新の影響を受けバロック様式になっています。
1919年の日本總督府執行都市計画の一環として、和平路、中山路などの通路に煉瓦を使うようになり、石だけでなく、ところどころ煉瓦の装飾も見て取れます。
その保存状態は素晴らしく、修復を繰り返してはいますが、100年の時を経た今もなお当時そのままの素材でできた壁や装飾を見ることができます。
また、名物は、豆腐を干して作る「豆干」や木材で作った「独楽(こま)」。
大溪老街
住所 桃園市大溪區和平路、中山路
交通 台北駅からタクシーで1時間 or MRT中壢駅からタクシーで40分
現在「大溪300日本語旅遊專案」として、先着400名の日本観光客向けに600元のガイドが300元で受けれる特別プランを用意しているそうです。(水曜〜日曜の1日3回、所要時間2時間半、10名以上の場合、時間調整可能)
詳しくは 日本語専用の情報共有Facebook(メッセンジャー)、専用電話番号(02-2708-1000)、メール窓口(dobomdcu@gmail.com)へ。
必見!観光スポット
大溪老街含むこの地区は大きくわけて3エリアの見所があります。
- 中山路エリア(公園から1本北へ入った東西に伸びる道)
- 和平路エリア(一番長い北側にある東西に伸びる道)
- 中正公園エリア(公園の中に広がる施設)
見て回りやすいようにエリアに分けてご紹介します!
※エリア分けは私の独断と偏見なので、共通語じゃない可能性もあります。ご了承ください。
中山路エリア
まず、大溪についたらいってほしいのが「蘭室」。
蘭室は、1918年に建てられた清時代末期の秀才「呂鷹揚」さんの個人宅で、当時そのままの土壁や室内装飾を見学することができます。
現在、大溪日本語旅遊服務站(大溪日本語観光セービスステーション)となっており、日本語でいろいろ教えてくれますよ。是非、パンフレットや見所、当日のイベント情報などをゲットしてください。
桃園市大溪區中山路13號
この蘭室がある通りも新南老街と呼ばれる古い町並みが続く道。
各建物の上を見上げると様々な動物たちや植物で飾られています。
もう一つの和平路のレリーフと比べるとこちら側のほうが細かく豪華です。
和平路と比べるとこちらは、住居や民宿、雑貨カフェなどが並んでいて比較的静かです。
中山路を西側に歩いていく中間あたりの十字路に古い井戸があります。
100年前に日本人が作った井戸で、今も水が出ます。(今は飲めないのでご注意を)
屋根にある「飲水思源(飲み水を掘ってくれた人々のことを思う)」の文字も探してみてください。
ちなみに「三元牌」と書かれていたので、金属のポンプ自体は比較的新しい物ではないかと思います。(日本時代の物なら「津田」系列が書かれているかと)
桃園市大溪區中山路47號
和平路エリア
大溪老街で一番長い通りの「和平路」は、中山路と同様にバロック形式の建物がずらりと並びます。
当時の日本人の設計技術と台湾の伝統が組み合わさったレリーフたちは本当に一見の価値あり!
お土産屋や食事などこの通りは商店がぎっしりと並んでいます。
道を歩いていると店先でこんな木枠を彫っている職人さんがいました。
大溪はヒノキなどの木材が有名で、伝統工芸の職人さんが多くいらっしゃいます。
しかも、仏壇やお寺に奉納するような装飾の細かい彫物や組み木の職人さんたち。
観光しながら実際に手彫りされているのを見学できます。
路地の奥に入ると見えてくる帽子をかぶった女性の写真が飾ってあるこの家。
こちらは台湾で有名な帽子歌后と呼ばれた歌手「鳳飛飛(フォン・フェイフェイ)」の実家です。
中は人が住んでいるので見れないですが、外からなら看板もでており、観光地化しています笑
鳳飛飛が無くなった2012年当時、ファンたちが大溪にたくさん駆けつけたそうです。
家の近くのマンホールのふたにも帽子がついているらしい!
ちょっと待って見つけられなかった!見つけた方、シェアして教えてください。
ソース元:【華流】台湾歌手フォン・フェイフェイ死去、ファンが故郷で追悼
草店尾二巷19號(福仁宮の右側の路地をはいっていったあたり)
和平路の突き当たりにあるひときわ目立つ大きな廟が「福仁宮」。
清嘉慶十八年(1813年)に建てられたお寺で、すごく広くて清潔です。
メインは「開漳聖王(陳元光)」元は河南光州人で、閩南地区の統治管理をしている神様。
福仁宮の見所は昇り竜の柱「龍柱」。
一般的には石を彫られて作るのですが、ここのは泥を固めた「泥塑」で作られているそう。
桃園市大溪區和平路100號
もう一つ是非行って欲しいお寺がこの「普濟宮」。
ここは民前十年 (紀元前1901年)にできたお寺で、三聖恩主(關聖帝君、孚佑仙祖、九天司命)を祀った廟。
特に毎年農暦の6月24日には關聖帝君の誕生祭で盛り上がるそう。
私が行った時は、もうすでにそのイベントが終わってしまっていたのでですが、記念に作られた關聖帝君グッズを運良くゲットすることができました♡
また、砂糖でできたピンクの塔「糖塔」も奉納してあり、かなり古い伝統文化がいまでもしっかり残っているようです。
普濟宮の隣には、日本時代できたと思われる中華風の仏教の禅寺「修徳禅寺」も並んでいます。
桃園市大溪區普濟路124號
中正公園エリア
中正公園は、以前は大溪神社があった公園。
大正元年(1912年)に作られたとされる台湾の中でもかなり古い公園の一つ。
神社のお社は昭和7年(1932年)に建設られ、民国35年(1946年)に壊されていますが、参道と石垣は残っています。
この石灯篭の土台は当時のままの石だそうですよ!
境内の石垣の左右に並んでいる狛犬には「大溪 加藤仁作」「奉納」「昭和七年十月」と書かれていました。加藤仁作さんは、当時大溪タバコ組合(大溪菸草小賣人組合)長さんだったようです。
桃園市大溪區普濟路
公園内には、大きな相撲場「相撲亭」もありました。
ここは日本時代にあった相撲場の枠が噴水になっていたところを、桃園観光局の文化歴史保存推進の一環として、和泰興業と日本ダイキンの出資のもと2017年に復元されたそうです。
ソース元:大溪相撲道場重現舊時風華
また、高台にあるのでここから見渡せる大漢溪の眺めが素晴らしい!
この川は当時はもっと水量があり、台湾の貿易の出発点となっていた場所。
ただ、洪水など水害に悩まされていたところ、水利技術者八田與一氏らにより水路整備と地質調査をされ、現在のような形になったそうです。
見渡す向こうに、桃園だけでなく台北市も電力や水の安定供給をになっている石門ダムも見えます。
1964年に施工した石門ダムですが、当時の調査資料を使って作られたそうです。
ソース元:《生態台灣》-第三期目錄 石門水庫土地開拓史─大壩伊建始末
大溪武德殿は台湾に現存する保存状態の良い武德殿の一つ。
日本時代、警官が柔道や剣道など武術の訓練の場として活用され、のちに中華民国が入ってきた後、宿舎などとして使われたらしいです。
現在では博物館として一般公開されています。
桃園市大溪區普濟路33-3號
ここは文武殿の隣にある四連棟、後ろに六連棟(改修工事中)もあります。
以前ご紹介した金瓜石にあったものと同様、4家族が連なった長屋で、中は当時の歴史博物館になっています。
桃園市大溪區普濟路23號
四連棟の長屋の目の前にあるこの施設は「藝師館」。
木材加工の職人が多い大溪の加工や彫り技術や歴史を展示してあるスペースです。
桃園市大溪區普濟路52號
中正公園エリアには、他にも
- 1934年に造られ、再建された歩道橋「大渓橋」
- 蒋介石夫婦が台湾初日に宿泊したと言われている別荘跡「大溪公會堂暨蔣公行館」
- タイヤル族との戦いで戦死した軍人の魂を沈める「復興亭」の上に建てられた休憩スペース
などなど、気になるスポットがまだまだたくさんあります。
大溪老街グルメはこの3つ!
観光で忘れてはならないグルメ!
大溪老街で、絶対食べたいグルメがいくつか紹介します!
これは絶対外せない「豆干」
まずは、絶対たべておきたい大溪といえば「豆干」。
大溪は非常に水が綺麗なため、弾力がありかつ柔らかい豆腐作りに最高に適した場所だそう。
確かに、豆干は滷味の脇役的な存在だったりするんですが、大溪豆干はメイン!
こんな感じで、全て豆干(豆干といってもいろんな種類があるんですよ!)の煮物を食べることができます。
豆干のお店は和平通りにたくさんあります!
店頭でそのまで食べることもできるので、美味しかったものや買いやすいサイズの物を買われてください。
豆干だけでなく、豆腐を発酵させた「豆腐乳(沖縄の豆腐ように似ているけれど、こちらの方が個人的には食べやすいです)」もご飯のお供にしたり、胡瓜などに付けて食べたり美味しいですよ!
豆腐の町なのでスイーツはやはり「豆花」
日本語ガイドツアーで連れていってもらったお店の豆花がボリューミーなのに激安で、お勧めでした!
豆花は甘さ控えめの豆腐の味がしっかりしているタイプで、トッピングの具材も美味!
特にもちもちのお餅の様な碗粿が好きでした。
特にこのお店の豆花もマンゴーかき氷も愛玉も破格のお値段!
1つのサイズがめちゃめちゃでかいので、2人で一つ注文をお勧めします笑
桃園市大溪區和平路34-2號
隠れたお菓子「月光餅」
月光餅は、さつまいもを練って干して作った芋餅(蕃薯餅)の一種。
東アジア戦争の昭和時代、台湾は物資が不足しており、小麦粉を買うお金もなく、月餅を作ることができませんでした。
仕方がないのでさつまいもを練って作った小麦粉を最小限に使った薄皮の芋餅を代わりにお供えしていたそうです。
味は、台湾のさつまいもの濃厚な甘さかと思いきや、ほのかに甘いシンプルな味で、食感はきんつばのような感じです。
少しオーブンで焼いたり、バターをつけるとより美味しくなるかと思います。
私が今回行ったのは「合珍香餅舖」ですが、他にもお店はいくつかあります。
このお店はなんと100年以上続いている老舗で、現在は4代目なのよ!と元気の良い二代目の奥様が話されていました。
桃園市大溪區中央路161號
休憩カフェもたくさんあります
老街の中にはこんなかんじのリノベーションカフェ喫茶店がいくつかあります。
歴史観光で歩き疲れたら、カフェでゆっくりコーヒー休憩も可能です♪
私たちがこの日に行った喫茶店は公園沿いにある場所。
ここではご飯も茶室もあるようで、広いスペースにゆっくりとした空間だったので、ベビーカーのまま入ることができて、子供連れの方にお勧め。
そして、レモンケーキは1つ頼むと、なぜか2つついてきます笑
桃園市大溪區普濟路37-2號
ガイド本には載らないであろう個人的におすすめ情報
この豚の絵が書かれている看板は、蘭室のすぐ近くにあります。
豚の発音は中国語で「豬(zhu)」、豚の絵の隣にレンタルという意味の「租(zu)」の字が描かれていて、民宿なのか何かのレンタル屋さんのダジャレだとわかります笑
福仁宮の右側の路地を入ってすぐのこの通り。
ガイドさんに教えてもらったのですが、ここ左右の煉瓦が違います。
よく台湾で見る左側のひし形マーク(九份とかでも良く見かけますよ!)の「台湾煉瓦製造株式会社」の烙印が押してあるもの、右側の押していない煉瓦の2種類使われている面白い通り(同じ会社が請け負うことが多いですが、時代が違うのかも)
台湾の煉瓦は当時かなり品質の良いものとされ、いろいろなところへ輸出もされていたそうですよ。
また、このすぐ近くに石灰で作った壁に瓦を貼りつけた「穿瓦衫」という壁もあります見つけてみてくださいね。
鳳飛飛の家の近くにこんなハートマークに「鼓井」と書かれた石があります。
鼓井とは台湾語の発音で「井戸」という意味。
以前はこのハートマークは、石の蓋に書かれていたようですが、現在は破片?のみ残されており、この真下に井戸があったようで、しかもこの井戸は四角形、清時代の井戸とのこと。
ちなみに、大溪には8つの100年以上続く井戸があるらしく、毎月旧暦の1日と15日には井戸の水神様にお線香があげられるらしいです。
和平路に入る横道(小学校があるあたり)にあるパパイヤミルクのお店。
この外観デザインが最高に面白かったので、パシャりw
南北7番目のお店らしいけど、ここチェーン店なのでしょうか?
まとめ
日本時代の歴史や台湾独自の文化が保存状態よく残っている大溪老街。
他にもここに書ききれていない、写真を撮りきれていない物がたくさんあるのですが、今回はざくっと1日で回れる量(でもボリューミーですが)をご紹介しました!
日本語ガイドも始まったので、今後より一層交通なども整備され、行きやすい観光地になると思います。
桃園空港からも台北からも日帰りできる距離にあり、移動時間も九份とそれほど変わらないので、是非お時間ある方は行ってみてくださいー!
現在「大溪300日本語旅遊專案」として、先着400名の日本観光客向けに600元のガイドが300元で受けれる特別プランを用意しているそうです。(水曜〜日曜の1日3回、所要時間2時間半、10名以上の場合、時間調整可能)
詳しくは 日本語専用の情報共有Facebook(メッセンジャー)、専用電話番号(02-2708-1000)、メール窓口(dobomdcu@gmail.com)へ。
大溪老街
住所 桃園市大溪區和平路、中山路
交通 台北駅からタクシーで1時間 or MRT中壢駅からタクシーで40分
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