気づいたら台湾で結構長いこと働いているRie(@rieasianlife)です。
この記事は「台湾で働きたい方」に向けての記事になります。
実際、私も結果、駐在員をしていますが、最初は台湾現地で就職がしたくて、日本で会社を辞めて台湾に来ました。
その時調べた知識と、現在雇用企業側に勤めている経験が少しでも皆様のお役になてればと思います。
台湾で働く手段
日本人が台湾で働く(合法的に給与をもらう)には、労働許可証が必要です。
もし日本にいらしゃる方で、労働許可証を取得するためには、まず台湾にいないと申請ができないため「台湾に目的を持って入境しますよ」というビザを持っている必要があります。
私も以前勘違いしてたんですが、ビザとは「台湾に目的を持って入境できるもの」です。そのため、就労許可証とはまた別物になります。例えば、学生の身分で台湾に住んでいる方が、就職した際、学生ビザですでに入境しているため、就労ビザは不要で、そのまま就労許可証の申請をすることができます。
代表的なビザには、以下の4種類があります。
打工 簽證 | ワーキングホリデービザを取得 |
---|---|
配偶 簽證 | 台湾人と結婚して配偶者ビザを取得 |
工作 簽證 | 会社から雇用されて労働ビザを取得 |
學生 簽證 | 特定大学の留学生となり学生ビザを取得 |
自分で会社を立ち上げて経営者として働く方法もありますが、ここでは割愛します。
さらに、最近だと就業金卡(就業ゴールドカード)の取得を進める情報もちらほら見かけるようになってきました。この制度が始まってすぐは、周りに申請者もおらず、取得の難易度が不明瞭だったんですが、少しずつ広まってきたようです。ただし、このカードであっても、クリエイターなどに加えて、資金や経験のハードルがあるため、数年台湾や日本で仕事をして歩いていど給与も多い方向けのように思えます。また、それで就労されても台湾内での給与が下がる可能性もあり、おすすめとしてはやはり通常の経路を通って会社から就労許可を支給されるのが生活面で一般的かなと思います。
ワーキングホリデービザ(打工簽證)について
ワーキングホリデービザは「アルバイト」ビザです。
そのため正社員になることはできず、給料も台湾人と同じアルバイトの金額になります。
詳しくは、政府の公式サイトを参照ください。
▶︎日本人の台湾へのワーキング・ホリデー査証申請要項
ワーホリは30歳までしか申請することができないので、制約はありますが、私の友達の多くは、ワーホリビザで入国し語学学校で言語を学びながらアルバイトをしている方が多くいました!
実際、語学学校の授業は1日2〜3時間程度しかないので、十分アルバイトできる環境です。
配偶者ビザ(配偶簽證)について
配偶者ビザは名前の通り、台湾人と結婚した際に取得できるビザです。
これを取得すれば、労働許可証が不要になり、台湾人と同じ条件で就職することができます。
詳しくは、居留問題を考える会を参照ください。
▶︎就業>台湾における就労について
配偶者ビザで仕事をされている方も私の周りに多くいらっしゃいます。
特に日本語教師、美容師、ネイリストなど手に職を持ち、日本人相手のサロンなど日本語を使う仕事をされている方の割合が多いです。
一般職事務で仕事をすることもできますが、それだと日系企業に入らない限り、中国語必須になってくるので、語学を十分にマスターしてからが良さそうです。
正規職員ビザ(工作簽證)について
正社員として就労される場合は、就労ビザで入境した状態で、労働許可証も取得しなければなりません。(ただし例外あり)。就労ビザを取得しただけでは働けないので、お気をつけください。(普通この2つをセットで申請するんでごっちゃになりがちですね)
労働許可証の申請は、職業内容によっても異なってきますが、基本的に以下の条件を満たしていなければ許可がおりません。
- 専門技術職であれば、資格証明を所持している
- 4年生大学卒業の場合、2年以上職業経験がある
- 短大、専門学校、高卒の場合、5年以上職業経験がある
- 海外企業派遣の場合、その会社で1年以上職業経験がある
- 台湾4年生大学卒業又は、日本修士号、博士号を取得している
また、職業経験は台湾で行う仕事内容と関係していないといけません。
そのため、一般的には、台湾で就職が可能な方は以下の方となります。
- 日本企業から海外派遣された駐在員
- 台湾の4年生大学を卒業した方
- 2〜5年以上日本で働き、同職に就く方
- 専門知識を持っている方
台湾で就職するということは、現地の方の雇用機会を奪うことにもなります。
このくらいの困難は自覚しておいた方がいいと私は思います。
そのため、現地の方ではできない技術で社会を助ける人材を政府は求めているのだと思っています。
各職業における雇用条件については、以下の労働部のサイトを参照ください。
私の周りでも現地企業(日系を含む)に現地スタッフとして採用され、就労ビザを発行してもらい働いている方多くいらっしゃいます。
日本語教師以外だと、
日本企業は、マネージャークラスでの採用が多く、ある程度の経験が必要となってきます。
台湾企業は、日本のお客様とのやりとりや通訳事務をメインで担当されている方が多いようです。
そのため、旅行会社、貿易会社、卸系の会社が多い印象です。
学生ビザ(學生簽證)について
学生ビザからの就労許可で仕事ができることを記載しているところは少ないですが「できます」。
ただ、国立台湾師範大学の場合、1年以上学生生活を行い、成績優秀者、且つ、経済的困難など条件を満たさない限り許可がおりません。
確かに同級生のベトナム人の友達は、これらの条件を満たし、アルバイトをしていました。
国立台湾師範大学の公式サイトにも記載がありますので、参照ください。
▶︎Q & A:外国人学生入学指南
学生ビザでアルバイトをしている日本人は私の周りでは、少ない印象です。
やっていたとしても、18歳から(語学学校ではなく、通常の4年生大学へ留学・進学)台湾に来ている方など、比較的若い方がされていました。
補足:もし学生から就職する場合、就労許可証の申請制度がポイント制になったようです。
4年生大学を卒業した場合、台湾の企業へそのまま就職ができるのですが、その際、合計70点以上ないと就労許可証の申請が行えません。学生時代の成績、資格試験、雇われる会社の給与でも点数が変わってきます。
詳しくはこちら:畢業僑外生留臺工作
台湾での賃金について
勞動部が取り決めている外国人の最低賃金(正社員月額)は47,971元です。
外國人受聘僱從事本標準第四條之工作,其月平均薪資不得低於新臺幣四萬七千九百七十一元整。
参考:勞動部106年8月14日 勞動發管字第 10605154981 號公告
一方、一般的な台湾人について。
台湾の労働部が出している月給統計サイト「職類別薪資調查動態查詢」によると、2017年で雇用社員の平均月給(職種関係なく)の検索結果は以下になります。
總薪資(総合給与)の総計が月給になります。
総計(全体平均) | 48,333元(173,999円) |
主管及監督人員(管理職) | 90,975元(327,510円) |
專業人員(専門職員) | 68,425元(246,330円) |
技術員及助理專業人員(技術職および専門補佐) | 52,496元(188,985円) |
事務支援人員(一般事務職員) | 37,456元(134,841円) |
服務業及銷售工作人員(サービス・小売スタッフ) | 29,309元(105,512円) |
※rate 3.6 もちろん平均なので上下があり、地域によっても生活水準が違うので、参考までに。
台湾人の最低賃金は「勞動基準法第21條」により以下に定められています。(2018年1月1日公布)
- 正職員:22,000元(22K)
- アルバイト:時給140元(40時間まで)
参考:基本工資問答專區 >基本工資的意義>1. 基本工資的意義?
台湾の給与は安いです。
台北で生活する場合は、家賃も高いので、新北市など郊外に住むことで家賃は抑えられます。
台北市内で一人部屋、キッチン付きだと家賃だけで2万元超えます。
外国人最低賃金は47,971元と比較的高め(台湾にとっては)ですが、ここから保険などがひかれます。だいたい5%程度なので、そこまで高くありません。手取り45,000元くらいでしょうか。
ただ、台北は食費、家賃などの物価も高く、このくらいの手取りでは、貧乏ではないけれど、切り詰めないと、貯金はあまりできない生活になると思います。
1日の食費を考えても、最低でも3食ちゃんと食べて300元〜500元はかかります。<だいたいの目安>
食費 :400元 x 30日 = 12,000元
交通費:25元 x 2往復 x 20日 = 1,000元(交通費は安い!)
家賃 :8,000元(シェアハウス共用施設あり)〜25,000元(比較的市内にある1部屋)キッチン付き台北市内物件の場合
給料(45,000) – 食費(12,000) – 交通費(1,000) – 家賃(20,000) = 12,000雑費交際費などに使える余暇費用は給料の3分の1程度になります。
切り詰めるとしたら、家賃。
新北市など市内から離れた場所に住めばもう少し抑えられます。
台湾で職を探す方法
それでは、ここから現地企業で職探しの方法。
台湾で職を探す方法は以下の5つがあります。
- 日系の人材紹介会社に登録する
- 現地の人材紹介サイトで探す
- 現地企業のサイトで雇用情報を探す
- 語学学校の掲示板から探す
- 知り合いに紹介してもらう
日系の人材紹介会社に登録する
日系企業が多く進出している台湾。
日系企業に就職したい場合は、真っ先に登録した方が良いのが、日系の人材紹介会社です。
名前 | 台湾法人名 | 特徴 |
---|---|---|
PASONA TAIWAN | 保聖那台灣分公司 | 1998年に台湾進出された台湾では老舗人材紹介会社です。 |
PERSOL TAIWAN(旧インテリジェンス) | 台灣英創管理顧問股份有限公司 | こちらも老舗人材紹介会社として有名です。2017年にインテリジェンス台湾から社名を変更されました。 |
REERACOEN TAIWAN | 台灣立樂高園股份有限公司 | ネオキャリアグループの人材紹介会社です。 |
AHR | 亜細亜人材服務有限公司 | 規模は上記と比べると大きくはないですが、専門性を持った方が多くいる印象です。 |
就労ビザを発行するハードルが高い分、日系企業の方が就職しやすい可能性が高いです。
また、紹介会社の担当者が日本人の場合が多く「自分のやりたいこと」や「就職したい企業」などの希望を日本語で伝えられます。
日系企業はほぼ100%と言って良いくらい一度は上記どれかの人材紹介会社を利用したことがあります。そのため、日系に就職したい方は、登録して間違いないです。
人材紹介会社側も給与の数10%が紹介料となるので、日本人は台湾人よりも高めのお給料。
嬉しいお客さんとなり積極的にお手伝いいただけると思います。
現地の人材紹介サイトで探す
ある程度中国語ができる場合は、現地の人材紹介サイトへ登録する方法もあります。
名前 | 運営会社 |
---|---|
104人力銀行 | 一零四資訊科技股份有限公司 |
1111人力銀行 | 全球華人股份有限公司 |
518人力銀行 | 數字科技股份有限公司 |
yes123求職網 | 一二三生活科技股份有限公司 |
これらのサイトに登録している企業のほとんどが現地企業になります。
もちろんやりとりは全て中国語か英語のことが多いです。(登録している日系を除く)
また、現地企業(日系以外)は制度が曖昧なことが多く、雇用契約書も結ばずにやっているところもあります。
そのため、制度ができておらず「健康診断がない」「休日出勤時に給与が払われない」などよく聞きます。
現地企業に就職する際は、しっかり自分の雇用条件や雇用者の権利を理解しておいた方が安心です。
就労ビザ発行は、経験がない事業主にとって非常に面倒な作業です。
それを逃れるため、試用期間を過ぎてもビザ発行してもらえず、3ヶ月1回行き来させられる、結局転職する羽目になったなどの話は一人だけでなく複数の友達から聞きます。
インターネットが発達している現在、知識はネットで簡単に得ることができます。
自分の身は自分で守る覚悟で臨んでください。
現地企業のサイトで雇用情報を探す
現地企業でも採用情報を掲載している会社があります。
「徵才(ゼンツァイ)」という文字が採用募集しているという意味です。
気になった会社の公式サイトやFacebookにこの文字がある場合は、応募してみると良いと思います。
店舗に張り紙がしてあることもあります。
また「徵求(ゼンチョウ)」という文字も「募集」という意味になりますが、そのあとの言葉が何になるかで求めている内容が変わってくるので、気をつけてください。
- 徵求員工(社員募集)
- 徵求工讀(見習い募集)
- 徵求志工(ボランティア募集)
- 徵求夥伴・合夥人(パートナー募集)
パートナーの場合、パートナー会社の他にスタッフの意味もあります。
この方法で仕事を探す方は、かなりの蔵人です。
私の周りにアルバイト以外でこの方法で仕事を見つけた方は今の所いません。
ただ、仕事の実力もあり、言語も堪能な方であれば、採用企業の幅も広がり、就職しやすいと思います。
語学学校の掲示板から探す
外国人を採用したい会社は、語学学校の掲示板に募集を貼っている場合があります。
条件に「ワーキングホリデービザ必須」「就労ビザ発行可能」などの記載があると思うので、雇用条件をよく見てください。
書いてないときは、積極的に問い合わせをして条件を聞きましょう。
国立台北師範大学、台湾大学など大きめの語学学校の掲示板を見て回るといいと思います。生徒じゃなくても入ることができます。
掲示板で就労ビザ発行の正社員を募集しているところは、日本人向けの歯医者や小児科などのクリニック関係が多い印象です。また、日本語教師系も多いです。
日本人人材の募集は、日本人がやっているようなお店がメインです。
ただ、誰でも掲載できるので、出会いを求めるチラシもあります。気をつけてください。
知り合いに紹介してもらう
友達に紹介してもらう方法もあります。
台湾は人脈を大事にする民族です。
個人的に関わり合いのある企業があるならば、もしかしたら、雇ってもらえるかもしれません。
実際、知り合いで前職でつながりのあった企業で働いている人もいます。
ただ、この場合も雇用条件はしっかりと頭に入れて臨んでくださいね。
知り合いだからといって、ナァナァになるパターンもよくあります。
台湾人の知り合いの例ですが、親族の会社だからと半年以上給料が支払われず、土日は別のアルバイトをして生活を食いつないでいる方がいました。
まとめ
今回は少し厳し目でしたが台湾で働く方法をご紹介しました。
ただ、ビザのところでも書きましたが、外国人である私たち日本人が、台湾で就職するということは「台湾人の雇用機会を奪うこと」。
当時、会社を辞めて台湾に来た時、私もそれを常に念頭に置いていました。
そのため、日本人にしかできない仕事、専門職にしかできない仕事がなんなのか、ずっと考えていました。
語学学校の先生などは、まさにそんな仕事になると思います。
そのため、日本人も含め全ての台湾で職を探している外国人は、語学学校の先生になるのは難しくないと聞きます。
実際に、語学学校時代の友達や知り合いの日本人で語学学校で仕事をしている方が何人もいます。
ただ、話を聞いているとかなりハードスケジュールが組まれ、毎日疲れ切っているようでした。
教えることに対して情熱を持っている方、得意な方なら充実した毎日が送れると思いますが、あまり得意ではない方だと大変な職業なんだと思います。
また、台湾は非常に親日国家で、日本語を話せる方が多い国。
中国語を使わなくても、生きていけます。
実際、中国語ができない駐在員なんてゴロゴロいます。
しかし、求職者はそれではいけません。
台湾は、給料は安いし、成果を出さないとクビになるような、非常にシビアな職場環境。
中国語もできず、専門知識もない外国人なんて、本当に優しい会社でない限り、給料泥棒と言われかねません。
台湾で仕事をする上で、中国語は100%は無理だとしてもある程度はできて当たり前の技術だと思っています。
まともな会話もできないようでは、現地企業に就職なんてできるわけがないと思い、私も最初の1年間は語学学校に通い、根詰めて語学を鍛えました。
自分の素質、経験などをしっかりと考えて職も選んだほうが良いと思います。
頑張ってください!陰ながら今から台湾へいらっしゃる後輩たちを応援しております。
困ったことや相談したいことがあれば、気軽にTwitterなどでDMくださいね。
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