調味料もグルメに含まれると思っているRie(X rieasianlife、IG taiwanandasia1708)です。
高雄の北側に「岡山」という地域があり、岡山の3大グルメ(岡山三寶)と呼ばれている「羊肉(山羊肉)」「蜂蜜」「豆板醤」。
今回は、この「豆板醤」について。
豆板醤のルーツは、中国大陸から台湾へ渡ってきた国民党軍の軍人たちが住んでいた村「眷村」にあります。
高雄岡山と豆板醤
日本統治時代、岡山は日本海軍第61航空工場の重要基地でした。
日本が戦争に敗れて、撤退した後、1940年代後半に中国大陸から国民党軍がやってきて、空軍基地を作りました。
その経緯から、多くの空軍軍人とその家族が岡山に移り住み、その中には四川省出身の方々も多く、彼らが故郷の味を再現しようとしたのが岡山の豆板醤の始まりです。
岡山の豆板醤には「川式(四川式)」と「台式(台湾式)」の2つの流れがあると言われています。
- 川式:唐辛子が効いた、ガツンとくる辛さと塩気が特徴。
- 台式:台湾人の好みに合わせ、米麹などを加えて甘みとコクを引き出したもの。
今回はこの2種類の豆板醤を売る二大ブランドを紹介します。
参考記事
中時新聞「岡山豆瓣醬最有名 四川老兵創始」
獨立評論@天下「來岡山,好吃的豆瓣醬佇家啦!」
川式:明德豆瓣醬
岡山の豆板醤を語る上で欠かせないのが、1948年に台湾にやってきた「劉明徳」という人物。
彼は空軍の軍人でしたが、1950年退役後、生活のために故郷四川省の製法を活かした豆板醤を作り始めました。
当初は天秤棒を担いで眷村の中で売り歩いていましたが、その味が「故郷の味そのものだ」と評判になり、徐々に広まっていき、現在の「明德豆瓣醬」の起源となりました。
明德豆瓣醬は、現在3代目に受け継がれており、かなり大きな企業になっていて、豆板醤といえば必ず思い浮かぶほどの知名度を誇るブランドです。
台湾全国のセレクトショップでも購入することができる(神農生活などにもあるよ)ので、高雄でなくても買うことができます。
それと、明德豆瓣醬は、岡山に公式専門店「老醬舖門市」があります。こちらで明德の豆板醤以外の全ての商品を購入することができます。こっちもおすすめです!
明德豆瓣醬:各地のスーパー、セレクトショップで購入可能
老醬舖門市(HP、Instagram、Facebook)
高雄市岡山區河堤路二段128號
川式:志斌豆瓣醬
創業者の袁志斌も元空軍軍人。
1949年岡山の建國村(自強乙村)に、祖母の晉戴氏と両親と一緒に台湾にやってきました。
祖母はとても倹約家で、四川から持ってきた麹菌を元に、毎月支給される大豆で豆板醤を作り、豆板醤を手押し車に乗せて売り出したのが始まりだそう。
1972年、袁志斌が退役すると、豆板醤作りに尽力し、レストランにおろしたり、工場を作ったりしてビジネスを軌道に乗せて行ったそうです。現在4代目が引き継がれています。
こちらも、全国的に有名な豆板醤なので、台湾各地で購入することができ、また、志斌豆瓣醤故事館という観光工場もあります。
ちなみに、志斌豆瓣醬は毎年3回行われる岡山の伝統行事「岡山籃籗會」の公式スポンサーをされています。
志斌豆瓣醬:各地のスーパー、セレクトショップにて購入可能
志斌豆瓣醬故事館(HP、Instagram、Facebook)
高雄市岡山區大莊路72號
台式:梁王牌豆瓣醬
梁王牌も岡山を代表する老舗ブランド。
「明徳」「志斌」が全国的な知名度を誇るのに対し、「梁王牌」は、「地元の人が密かに愛する、知る人ぞ知る名品」という立ち位置で非常に高い支持を得ています。
1代目の梁廷清本さんは、台南人。
梁さんは息子の梁功成とともに、1917年に日本政府が撤退し、岡山町役場の書記として岡山に引っ越してきました。
梁功成は、成人し「岡山信用組合」の会計士として働き始めたのですが、のちに退職し、「民警同志」という雑貨屋を開き、お岡山地区の防衛団のメンバーとともに合作社を立ち上げます。
(228事件により、店名に「同志」という文字があるため、国民党政府に疑われたため、店名を「親和商號」に変更、現在は「梁記商行」という名前で営業中)
日本統治時代の飲食習慣の影響もあり、朝ごはんにタレをつける習慣が台湾人にもあり、雑貨店では、タレものが非常に人気がありました。
当時、梁功成は、劉明德の四川風豆板醤をベースに、もっと自分たちの口にあったものをと研究を重ね、米麹などを加えて、現在の台湾版の甘めの味付けの台湾風豆板醤を作ったのが、現在も販売されている「甘味辣豆瓣醤」です。
辣豆瓣醤という名前ですが、全く辛くありません。
どこの豆板醤も美味しいですが、個人的にうちの豆板醤は、梁王牌の辣豆瓣醤を愛用しています。
梁王牌豆瓣醬:「梁記商行」やネットでのみで購入可能
まとめ
岡山のヤギ鍋「羊肉爐」もこの豆板醤の恩恵に預かっています。
もともと岡山はヤギの集積地として新鮮な肉が手に入りましたが、ヤギ肉には独特の強い臭みがありました。
かつては、ケチャップのようなチリソースや醤油膏(とろみ醤油)で食べていましたが、臭みを完全に抑えるのは困難でした
そこに登場したのが、戦後空軍の軍人たちが持ち込んだ四川風の豆板醤。
唐辛子の辛味と発酵した豆の強い香りが、ヤギ肉のクセを旨味に変える絶好の調味料として機能しました。
これにより、岡山のヤギ鍋は大人気になり、現在に至っています。
私は、岡山のヤギ料理屋さんに行くとどこの豆板醤を使用しているのかチェックするのが習慣になっています。自分が好きな豆板醤が使われていたら、口に合うこと間違いなしです!
そんな歴史の生き証人である岡山の「豆板醤」、あなたのお好みのお店はどこですか?
是非、岡山に行った際は、お土産として持ち帰ってみてください。
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