【台北:萬華】台湾史には欠かせない砂糖が知れる資料館「糖廍文化園區」

台北

南国台湾に住んでいるブロガーRie(@rieasianlife)です。

台湾のサトウキビから作られる「砂糖」が有名なことをご存知でしょうか?

歴史に詳しくない方でも、台湾料理の魯肉飯など、甘辛い味付けの料理が多いことから実感してる方もいらっしゃるかも?

今回はそんな台湾の砂糖の歴史が学べる施設のご紹介です!

 

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台湾と砂糖について

資料館にあった資料パネルより

 

台湾でサトウキビ栽培が始まったのは、いつなのかはっきりしていませんが、一番古い資料から14世紀にはもうすでに種付けがされていることがわかっています。

砂糖は台湾にとってとても重要な貿易品の一つで、17世期オランダ東インド会社が東アジアとの拠点として台湾を定めたときも、砂糖を納税させていたという記録が残っているそうです。

上の画像は、オランダ人と鄭成功が協議をしているイラスト。

右側にサトウキビの木が描かれているのがわかります。

 

 

他にも、日本時代1935年に台湾で開催された「始政40周年記念台湾博覧会」では、台湾の砂糖産業をメインに扱った240坪(当時の金額で5万4千円をかけて制作)の独自ブースを作成し、大々的に台湾の砂糖をアピールしたそう。(臺灣の旅「臺灣博覽會の全貌-第一會場」に記載がありました)

このとき、50万人に冰涼糖水(冷たくて甘い砂糖のスイーツ)を無料で振る舞ったそう。

どんなスイーツだったんだろうー食べてみたい!

 

ここは、元々台湾北部の砂糖を作る拠点「台北製糖所」だった場所。

砂糖作りは現在は行われていませんが、資料館として台湾の砂糖に関する歴史が紹介されています。

 

どこにあるの?

 

場所は、龍山寺からちょっと歩きます。

電車の「萬華」駅の方がちょっと近いかもしれません。

ひたすら歩いて、小さな公園があればそこが目的の場所です!(アバウト)

萬華糖廍文化園區Facebook
時間 10:00〜17:00(月曜休み)
住所 台北市萬華區大理街132之10號

 

 

どんなところ?

 

この萬華糖廍文化園區は、冒頭でも書いたとおり元々砂糖を作っていた「台北製糖所」の跡地(台北市の直轄市定古蹟に認定されています

日本時代に木下新三郎、高橋虎太らが1910年に資本金300万円で作った台北製糖株式会社を設立。

ここは、台湾で初めての現代的な新式製糖所として、1911年12月に試運転スタート。

1916年、台湾製糖株式会社と台北製糖株式会社が合併し、名称を「台北製糖所」となりました。

 

 

その後、台湾で最も北にある製糖遺跡として、倉庫本体とレンガ、門や柱など民国92年(2003年)9月23日に台北市定106號古蹟に認定されました。

もちろん改修されている部分も多いですが、レンガを見るとかなり古いことがわかりますよ!

またその後、1940年代には中國時報社の前身「徵信新聞」の日本から土地を引継ぎ、現在もこの敷地の横に大きな中國時報のビルが建っています。

 

 

倉庫群はA、B、Cの3つのエリアに分かれています。

A:「糖業文物展示館」資料館

後ほど詳しくご紹介します♪

B:劇団「萬座曉劇場」の拠点

Bエリアの影にはたくさんのポスターが張り出してありました!

現代劇をされてる方々みたい。舞台好きな方はサイトで公開スケジュールを見てみてください。

C:街廓と外観展示、公園、地下駐車場

Cエリアはもう一つ倉庫があるのでもしかしたら、今後何かできるかもしれません。

 

 

ではでは、メインの資料館へ入ってみましょうー!

 

「糖業文物展示館」の中へ

 

資料館の入り口は、こんな感じでなんだか独特な雰囲気(笑)

入ると係のおばちゃんがニコニコしながら「歡迎光臨~(いらっしゃい〜)」と声をかけてくれます。

コロナ対策に手の消毒をして入りましょうね。

 

 

中は3ブースほどに分かれています。

まず入ってすぐは、初期のサトウキビと台湾の関わり。

それから日本時代に入り、台湾博覧会の様子や台湾様々な場所にある製糖所の紹介。

さらにサトウキビから砂糖を作る工程の紹介や砂糖でできた製品の紹介へと続きます。

 

 

これはサトウキビから砂糖を作るときのに使用する道具の紹介。

実際に研究している写真もセットで展示されていて、使い方を想像しやすかったです。

 

 

サトウキビから砂糖にする工程フローがありました。

  1. 1 原料採收(材料の採取)
  2. 2 卸蔗切段(サトウキビを切る)
  3. 3 撕裂壓榨(絞る)
  4. 4 蔗汁加熱(サトウキビ汁を加熱する)
  5. 5 沈澱清淨(沈殿させて洗う)
  6. 6 脫色濃縮(脱色のための濃縮)
  7. 7 結晶(結晶になる)
  8. 8 分蜜(糖蜜を分離する)
  9. 9 乾燥篩選(乾燥させる)
  10. 10 成品包裝(袋に詰める)

サトウキビって沈殿させて、綺麗な汁の部分だけを取り除く処理を行うんですね。

 

8番目の糖蜜を分離させる段階で、アルコールと食用に分けるらしい。

というか、サトウキビからアルコールが作られてるのをここで初めて知りました!

こんな感じで消毒用アルコールとして販売されてるみたいです。

 

 

また、サトウキビからできる砂糖は様々、さらに、砂糖以外にもたくさんの製品ができています!

ここで以前ご紹介した私の好きな蜂王の石鹸「黒砂糖香皂」が出てきて驚きました!

【台湾の生活】60年以上の歴史!黒砂糖アロエ蜂蜜石鹸がお気に入り「黑砂糖香皂」

確かに、これも「砂糖」石鹸だでしたね!

他にもサトウキビで紙を作っていたりもしていました。

 

最近だと、環境保護のためにサトウキビストローなんかもありますよね!

ストロー 生分解性 さとうきびストロー 管径8mm 長さ210mm 100本入り エコストロー 個包装無し
ノーブランド品
本来廃棄されるサトウキビの搾りかす(バガス繊維)がらできた 100%土に還るエコストロー。石油由来のプラスチックを一切使用していません

 

あと、右のこの台湾のパイナップル缶詰なんかも懐かしい!

まだ台湾に来る前、お父さんがよくお土産で買って帰ってました。

これも日本時代に販売製造が始まった製品で、民国60年には海外売上401万箱以上売って、販売数世界一だったそうです。

 

 

あとこちらは、台湾人が懐かしい駄菓子を並べているコーナー(台湾にも駄菓子屋さん「柑仔店」があります!)

「台湾人が」思う駄菓子ですが、森永のキャラメル、佐久間ドロップなど日本人も馴染みがあるものもたくさんありました!

森永製菓 ミルクキャラメル 12粒×10箱
森永製菓
原材料:水あめ、加糖練乳、砂糖、加糖脱脂練乳、植物油脂、小麦たんぱく、バター、モルトエキス、黒みつ、食塩、ソルビ トール、乳化剤(大豆由来)、香料

 

資料の文章には、「西瓜糖(スイカ型の飴)」「李仔糖(スモモ飴)」「吹糖(べっこう飴を吹いて作った飴)」「畫糖(べっこう飴を伸ばして絵を描いて作る飴)」「龍鬚糖(龍の髭飴)」などが書かれていました。

中華っぽい駄菓子もたくさんありました!

 

 

最後のブースはワークスペースになってました。

クレヨンを使って擦ると絵が出てくるやつだ!懐かしい〜!

子供さんがいらっしゃるところは楽しいと思いますよ♪

子供たちとイベントなんかもされてるみたいなので、詳しくは「糖廍文化協會」のFacebookをチェックしてください。

 

敷地の外も見逃せない!

 

公園のあるCエリアには、こんな実際にサトウキビを運んでいたと思われる貨物車が展示してあります。

たまにこういう施設で見かけるこのブロックでできた模型いつみてもすごくよく出来てますよね。

 

 

それと、ここもびっくり!サトウキビ畑もありました!!!!

よく南部へ行く電車の中から見たことはあったんですが、こんなに近くで見たのは初めて。

2m以上の高さがあり、こんなに大きいんだ!?と実感することができました。

やっぱり実物を見る方が子供たちへの学習に良いもですよね。

これ収穫して砂糖を作る体験とかもされるのかしら?大変そうだけど、楽しそう。

 

 

「糖廍之歌」なんていう歌も作られていました。

↓↓↓歌が聞きたい方は、こちらからYouTubeにありました。

糖廍之歌 台北糖廍合唱團Taipei Tangbu Chorus艋舺教會

 

 

簡単なエリアの紹介の看板に糖廍里のマークもありました。

すっごい細かい!!!!

真ん中の円柱状の2つのイラストは、牛の横にあったサトウキビを絞るときに使用する道具みたい。

 

 

たまたま近くのカフェに行ったときに、Googleマップで見つけてふらりと行ってみた施設でしたが、なかなかたくさん面白い資料があって面白かったです♪

砂糖の歴史が気になる方、是非、遊びに行ってみてくださいねー!

 

糖廍文化園區へのアクセスと詳細

萬華糖廍文化園區Facebook
時間 10:00〜17:00(月曜休み)
住所 台北市萬華區大理街132之10號

 

 

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